
菅原ヒロシ(菅原 宏)
東京都生まれ、神奈川県育ち
映画と音楽が好きな子供時代を過ごす
15歳の頃にギターを買ってもらい、音楽に没頭
この頃に表現する楽しみを知りました


六本木のAXISビルにあった飯倉スタジオにて、スタジオアシスタントとしてキャリアを始める
時はちょうどバブルの時代だったこともあり、喧騒と華やかさの中で、様々な経験と吸収の時間を送りました


10BANスタジオにてフリーのロケアシスタントを経て、
Kei Ogata氏に師事(写真右側)
オガタさんからはたくさんの学びがありました
被写体への接し方
フォトグラファーとしての姿勢
仕事への責任
今でも大切にしていることを、当時背中を見ながら教わっていました
また、ロケで世界中の国へ連れて行ってもらい、世界は広いということを身をもって感じました
さまざまな文化、宗教、習慣、楽しみ
こうしたことは、好きな映画を見るだけでは理解できないことだった


ロケで訪れたエジプトの人や文化、宗教に興味を持ち、カメラをバックパックに入れてヨーロッパも含めた旅に出る
異国を歩き、人と語り、自分の考えや価値観とは違うものが世界にはあることを知る
写真を撮ることよりも、世界は多様であることを知ったことが一番の収穫でした
今となって分かるのが、この旅が僕のターニングポイントでした
アシスタントを辞めて、憧れよりも冒険を選んだ
ある意味これでよかったし、ある意味間違えていた
けれど今思えるのは、あの頃なりに懸命だったんだなって


砂漠の中にあるオアシスの街バハレイヤ
ここには数ヶ月滞在し、そこに住む人たちの生活やポートレートを撮影
写真は床屋のカダフィーさん
言葉も通じないのに、よく彼の家の裏庭になるナツメヤシを一緒に食べていました
アシスタント時にみていた、ファッションや広告撮影の華やかで美しい世界から一転
一般の人の生活の中にある、生きる逞しさや人生の中にこそ、美しさがあることを知りました


帰国後
日本の生活にうまく馴染めないながらも、撮影の仕事を始める
音楽雑誌では、プレイ中のクラブDJ
女性誌では、ファッション撮影や著名人のポートレートの撮影
音楽誌の時は、写真から音やグルーブが感じられるように
女性誌の時は、服やモデルの美しさはもとより、それを纏う「人としての生きる美しさ」を撮りたく奮闘していました
その後、広告やムービー撮影に活動の場を広げ数々の企業広告を撮影
優秀なスタッフ、いい仲間、アシスタントに恵まれました


自分が撮った写真を世に出せる嬉しさ
また同時にある、撮影者としての大きな責任
さまざまな感情とプレッシャーをいつも抱えながら、人の美しさを写しています
たくさんの製作者と、たくさんのそれを見る人
写真や映像の楽しさは、人に伝えるメッセージがあることだと思っています
たとえそれが商品広告だったとしても、何かを感じたり喜びを感じてもらえたら嬉しい


2014年より、モデルであり妻でもある菅原笑美子(田村笑美)と、一般の方々を撮る「フォトセッション」を始める
これは当初、撮影を通して「自分を知り自分を認める」ことで、人が変化していくことを目的としていました
その後に起業家ブームが起こり始めました
雇われることから、自分の力で仕事を作っていくことが選べる時代へ
人は自由で、喜びを追求する権利があると思っています
今ある枠から出て、自分の足で立つ
「フォトセッション」では、そうした方々の写真撮影や、世界観のビジュアル化を行っています


家族の写真撮影も多くなりました
その時の空気を捉えることで、未来のいつかに振り返り、心が暖かくなる写真を撮るように心がけています
ファッションや広告の世界に居ながらも、そこからドロップアウトした20代
いまでもその時の視点を忘れていません
人は存在するだけで美しい
愛は何よりも素晴らしい


現在は東京湾岸と、宮崎の海の近くで二拠点生活をしながら、写真や映像の活動と、新たな時代の生き方を模索しています

